ロジャー・バレンが、彼のこれまでの人生と写真活動について振り返ります。
初期のものから現在まで、様々なシリーズからの作品の軌跡を辿りながら、彼の美学の発展の過程を掘り下げていきます。
当イベントは英語と日本語で行われます。
> 4/18 14:30 – 16:00にも同イベントがございます。
ロジャー・バレン
1950年ニューヨーク生まれ、30歳より南アフリカ在住。同世代の中で最も重要な写真家の一人。 過去30年間、彼独自の写真スタイルは、美しいモノクロとシンプルな正方形のフォーマットを使用して進化してきた。初期の作品には、伝統的なドキュメンタリー写真からの影響が明白に見てとれる。しかし、1990年代をとおして、バレンは彼自身が“ドキュメンタリー・フィクション“と表現するスタイルに発展させたのだ。彼が最初に発見し写真に記録した、南アフリカ社会の周縁に生きる人々は、今日ますます増えているが、2000年以降、彼らはバレンとともに不穏な心理劇を作り出すためにコラボレーションし、「Outland」(2001年)や「Shadow Chamber」(2005年)のシリーズにおいて、登場人物を演じている。 最近のシリーズ「Boarding House」(2009年)と「Asylum of the Birds」(2014年、Thames and Hudsonより写真集刊行)では、現実とファンタジーとの間の境界がますます曖昧なものとなり、さらにこれらのシリーズでバレンは、精巧なセットを制作するために素描や絵画、コラージュや彫刻などの手法を採用している。 バレンは、これらの作品を通して新しいハイブリッドな美学を発明したが、しかし、それでもなおその美学は確かに写真に根差したものであるのだ。